散骨は違法か。法律・ガイドライン・条例を分けて考える
1. 墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)との関係
墓埋法は昭和23年の法律で、「埋葬」(土葬)と「焼骨の埋蔵」を墓地以外で行うことを禁じています。
散骨については、旧厚生省の見解として「散骨は墓埋法の埋葬にも埋蔵にも当たらない」「墓埋法は関知しない」という整理が知られています。
つまり、墓埋法は散骨を想定しておらず、許可も禁止もしていない、ということです。
2. 刑法190条(遺骨遺棄罪)との関係
刑法190条は、死体・遺骨・遺髪などを損壊し、遺棄し、または領得した者を処罰すると定めています。
散骨がこれに当たるかについては、法務大臣の見解として「葬送のための祭祀で節度をもって行われる限り問題はない」とされ、処罰の対象とすることはできないと解される、という整理が広く知られています。
ポイントは「葬送のための祭祀」と「節度をもって」の2つです。
- 遺骨を処分するために捨てるのではなく、故人を送るための行為であること
- 他人の目に触れる形で撒かない、粉状にする、場所を選ぶ、といった配慮があること
3. 厚生労働省のガイドライン(令和3年3月)
厚生労働省は令和3年3月、ホームページに「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」を掲載しました。令和2年度厚生労働科学特別研究事業「墓地埋葬をめぐる現状と課題の調査研究」の成果として作成されたものです。
公表されている内容の主なところは次のとおりです。
- 散骨が関係者の宗教感情を害してはならないことを、目的に明記
- 散骨事業者・散骨関連団体の責務を定めた
- 粉骨は散骨という葬送の一部であることを位置づけた
- 事業者の遵守事項として、法令の遵守/散骨を行う場所/粉骨すること/関係者への配慮/自然環境への配慮
法的な強制力があるものではありません。ただし、事業者を選ぶときの物差しにはなります。ガイドラインに沿った運用をしているかどうかは、問い合わせのときに聞いてよいことです。
※ ガイドラインの詳細な要件(粉骨の粒度の基準など)については、当方は本文を確認できていません(未確認)。厚生労働省が公開している本文をご確認ください。
散骨できる区域は、出航する港と自治体の条例で変わります。全国海域に対応し、粉骨費用込みで追加費用のない事業者に、無料で見積を出してもらえます。
神奈川の散骨条例を見る条例の状況は → 神奈川の散骨条例
4. そして、条例
ここまでが国の話です。実際の可否を決めているのは、自治体の条例です。
「法律で禁止されていない」という一般論だけで判断すると、条例のある区域で問題になります。
結論
2. 節度が要件になっている。葬送として、粉状にして、場所を選んで。
3. 実際の可否は条例が決める。実施する区域の自治体を必ず確認。
個人で判断が難しい場合は、実績のある事業者に相談するのが確実です。区域ごとの扱いを把握していることが多く、粉骨も含めて任せられます。
よくある質問
散骨は法律で禁止されていますか。
では、どこで撒いてもよいのですか。
厚生労働省のガイドラインとは何ですか。
ガイドラインには何が書かれていますか。
出典:一般財団法人 地方自治研究機構「散骨を規制する条例」/厚生労働省「散骨に関するガイドライン(散骨事業者向け)」(令和3年3月)/墓地、埋葬等に関する法律(いずれも2026年9月10日確認)